蘋果派 Apple Pie


蘋果派 2000年11月


2000年11月25日

■Mac OS X がフリーズ、ボリュームに「PEOF 誤り」……

先週、Mac OS X Public Beta が使用中にフリーズしてしまい、再起動後、Mac OS X をインストールしていたボリュームがマウントできなくなるという現象に見舞われた。《Disk First Aid》のレポートには、「PEOF 誤り」のために「マウントでき」ないとあった。控えを取る前のデータを失うことになるのでかなり悩んだが、結局今週このボリュームを初期化し、Mac OS X Public Beta をインストールし直した。

このトラブルで、ダウンロードしてきたファイル、バックアップ前の電子メール数通、それに Web ページ関連のファイルの最新版を消失したが、若干古いバックアップからほぼ復旧することができた。まがりなりにもバックアップをしておいたことが幸いした。また Mac OS 9 ボリュームの方はまったくの無傷だったので、新しいハードディスクが用意できない場合にパーティションを切ることが推奨される理由を身をもって理解することになった。当サイト関係ではリンクボタンに使っていた画像のオリジナルファイルがなくなってしまい、今後構成を変更する際に不便になるため、この際作り直した。以前より気に入ったものができ、アプリケーションの使い方の勉強のきっかけにもなったので、これに関しては災い転じて福となすことができたようにも思う。


2000年11月11日

■Mac OS X Public Beta 試用記之二――日本語・漢字入力

Mac OS X Public Beta が中文 (中国語) インプットメソッドをサポートしていないのは承知の上だったが、予想以上に苦痛だ。Classic エディタと Carbon ブラウザを行ったり来たりして、コピー&ペーストでしのぐことができるのが救いだが、時々忘れた頃に Classic 環境がおかしくなるという難点がある。(まあ、仕方ない。)

10月30日に触れたとおり、日本語インプットメソッドで入力した大方の文字は、《TextEdit》または《Stickies》でフォント変更すると中文字に変換できるので、この方法を利用することもできる。けれども、現在のところ Mac OS X ネイティブ環境で使える唯一の日本語インプットメソッド《ことえり3.0》はとても使いにくく、この方法はあまり実用にならない。市販のインプットメソッドと違いカスタマイズの幅がとても限定されているのが主な原因だ。

《ことえり》では残念なことに、「読み」に使用できるのが一貫して ひらがな だけなので、たとえば「ping2guo3」というローマ字と数字から「蘋果」という漢字に直接変換する“拼音 (ピンイン) 漢字変換”ができない。これができれば辞書を用意し、前述の Cocoa 環境での文字コード変換を利用することで、ある程度中文インプットメソッドの代用にすることもできる。この“拼音 (ピンイン) 漢字変換”は、日本語ではめったに使わない中文関係の常用字を日本語環境で使うのに便利なので、私は主にこれを目当に《ATOK》に乗換え、常用してきた。《ATOK》の使えないネイティブ環境は、自由を奪われたような感覚だ。ジャストシステムが開発に着手しているという“ATOK14 for Mac OS X”の登場が待遠しい。

また (これも10月30日に触れたように) ヒラギノ Pro フォントで新たに追加された文字は、変換辞書に登録できない。このためこれらの文字を入力するためには文字パレットの「ユニコード表」から拾うほかない。この表がくせ者で、スクロールボックスを目当の字のある辺りに動かすのがとても難しい。インタフェース自体は、Aqua に対応した以外に Mac OS 9 の《ことえり2.3.3》とそれほど変化はないのだが、操作感は遙かに劣る。おそらく積んでいるメモリが少ないことも関係していると思うが、こんなことではコードから直接変換できた方が速いにちがいない。そういえば、以前の《ことえり》では文字コードからの漢字入力ができたが、いつの間にか割愛されていた。

●《ことえり3.0》キー操作の不具合

以上のこととは全く別の話題になるが、《ことえり3.0》では、《ことえり1.0》以来のキーボードショートカット ( optionshiftGBTNUYZXCAS と、optionZXCAS ) の取扱いがおかしい。(私は iMac (M6709J/B) に ASCII 配列の Apple USB Keyboard を繋いでいる。) Carbon アプリケーションではこのキー操作は無効になってしまう。Mac OS X「ことえりヘルプ」を確認してみると、このキーボードショートカットが使えるとの記述があり、Cocoa アプリケーションでは実際に機能するものの、optionshiftGBU では「G」「B」「U」のように、文字キーのローマ字も入力されてしまう。

私がこの《ことえり1.0》スタイルのキーボードショートカットにこだわるのは、慣れや愛着という情緒的なことも当然あるが、それだけではない。Classic《ことえり》でも、Chinese Language Kit 1.x の簡体中文《輸入方法》(インプットメソッド) でも、CLK 2.0・Mac OS 9 の《簡体中文》《繁體中文》でも、optionshiftB を押せば文字パレットが表示される。アプリケーションの終了 (Quit/結束/離開) がどのアプリケーションでも commandQ であるのと同様に、一貫している。各言語・スクリプト固有の機能であっても、類推しやすい類似性がある。私はこのような一貫性をぶちこわしたくはない。《ATOK》に乗換えてからも、《ことえり1.0》スタイルを基本にしてキー割付をカスタマイズしてきたほどだ。

日本国内でいかに公的権威や市場占有率があっても JIS キーボードに代表される国内標準より、“Mac 文化圏”内であれば国境に関係ない“Macintosh 標準”のほうを私は大事にしたいし、アップルにも少なくとも最低限の尊重はしてほしい。iMac の発売当初、日本国内向けに ASCII 配列の USB キーボードが公式には用意されないことを知ったときに比べればマシだが、Carbon アプリケーションで《ことえり1.0》スタイルが無効なのを見つけたときには、ショックだった。Cocoa で一応有効なのを確認して安心した。正式版では、完全に復活させてほしい。

《Magellan 1.5.2》

マキエンタープライズが、10日、複数の言語の混在したメールの送受信を可能とした電子メールクライアント《Magellan》の最新版・バージョン 1.52 をリリースした。このバージョンでは日本語・韓国語の自動判別機能と、マルチアカウント使用者向けに「送信前の受信認証」のオプション機能が追加された。

《Magellan》のアップデートは、アプリケーションを入替える方法が推奨されている。前回は Public Beta への警戒感もあって、Mac OS 9 に切換えてからアップデートしたのだが、今回は Mac OS X 上で以前同様に入替え作業をしたところ、メールの送受信データが消失してしまった。幸いバックアップがとってあったので大事には至らなかったものの、《Desktop》があくまでβ版であること、また従来の“Classic Finder”とは違うということを痛感させられた。


2000年11月3日

《Magellan 1.5J》

マキエンタープライズが、1日、複数の言語の混在したメールの送受信を可能とした電子メールクライアント《Magellan》の最新版バージョン 1.5J をリリースした。今回から、同社のメールフィルタリングソフト《MailGoGoGo》とのシームレスな連携、添付書類つきメールの転送をサポートしている。


2000年11月1日

Mac OS X Public Beta 対応中文版《iCab Pre 2.2 TAX》

31日に更新された情報窯子で、Mac OS X Public Beta 向けに Carbon 化された iCab Preview 2.2 の中文版《iCab Pre 2.2 TAX》が発表・リリースされた。同サイトからダウンロードできる。情報窯子によると、現在の Mac OS X Public Beta の2バイト言語サポートの不具合で、Carbon 環境でダイアログのボタンの最後の一文字が強制的に改行されてしまう問題を制作過程で見つけたという。この問題に対処した関係で、Classic Mac OS (8〜9) では、この“碳化 (Carbonize) ”版ではなく、23日に発表されたバージョンを使用することを同サイトでは推奨している。

筆者の環境では《iCab Pre 2.2 TAX》のラージシステムフォントは、 Osaka+Lucida Grande をベースに、Unicode で日本字と包摂統合されていない中文字「 () 」「 () 」「 () 」「 () 」「 (qing2) 」などが Taipei として表示されている。《へたダサヘルパー》と《外觀 (アピアランス) 》コントロールパネルを使うような“小細工”をしなくても、中文メニューの文字にアンチエイリアスがかかっているを見るのは感慨深い。もっともこれはあくまで仮の姿だ。今後正式な中文サポートの暁にはどのような表示がなされるのだろうか。

新 iBook・PowerBook 台湾で発売

30日に配信された台湾版《蘋果快報 Apple eNews》によると、9月にパリで発表された iBook と PowerBook が今週末から台湾でも正式に発売される。価格は iBook 366 NT$46,900、 iBook 466 NT$56,490、 PowerBook 400 NT$79,900、 PowerBook 500 NT$112,900 (いずれも税抜価格、新台幣 NT$1=日本円 ¥3.36) となっている。中文 (中国語) 表記の揺れはいつものことだが、iBook の色 Key Lime は今回「蘋果緑」と表記されている。




蘋果派 = Apple Pie / 瀰瀰 (Meme-Meme)
2000年4月2日 開設
© 2000-2003 瀰瀰網 Meme-Meme.net 版權所有 歡迎連結