24日は《Mac OS X v10.2 “Jaguar”》の発売日。アップルストアに申し込んでいた私の手もとには、朝10時前に届いた。1時間ほどかけてインストールを終えると、動作速度については劇的な改善は感じないけれど、対応機種で最も非力な部類に入る初期型 iMac (M6709J/B) でも、それほど重くはない。システムが占有するハードディスク容量が着々と増大していることが気になるが、細かいところで気が利いたり見栄えがしたりといった Mac らしい OS としての成熟が感じられる。
多言語サポートの一層の拡充も嬉しい。西欧 (Roman スクリプト) 諸言語と東アジア3言語以外に、入力・表示が可能な言語が増えた。従来 Classic Mac OS で、Mac 独自のエンコード方法でサポートしていた言語は、多くが Unicode エンコードでサポートされることになったようだ。
当サイトの観点から見ると“Jaguar”の最大の目玉は、新しい
細ゴシック体である
今回の Mac OS X v10.2 にも、従来からの4書体とかつてのシステムフォントである「Beijing」がインストールされる。
中国大陸の文字セットは、国家標準の基本文字セットである GB 2312 (7445字)、それを拡張して Unicode 1.1 の漢字を取込んだ GBK (2万1886字)、そして GBK をさらに拡張した国家標準 GB 18030 (漢字2万7484字、150万字分以上のコードポイントを準備) と発展してきた。従来からの書体が GB 2312 フォントであるのに対し、新しい5書体は、最新の文字規格である GB 18030 対応フォントだ。Mac OS は、Mac OS X v10.1 で内部的に GB 18030 をサポートできるようになったが、フォントが用意されなかったので、実際には下位文字セットである GBK に含まれる文字であっても表示できない場合があり、十分な状態になかった。(Windows 用に配布・販売されている中文 TrueType フォントを“流用”することで解決できたが、中には Mac OS X では使うことのできないものもある。)
また、今回の GB 18030 フォント搭載に伴い、《簡体中文》
一方、繁體中文関連の改善はあまりはっきりとはみられない。新しいフォントの追加はなく、各フォントの文字セットも以前と変らない。香港では特別行政区政府が
大陸市場に出荷される情報処理関連製品は、中国大陸当局によって GB 18030 に対応するよう義務づけられているのに対し、台湾でも香港でもそういった政策は採られていない。また簡体字圏と繁體字圏の人口=見込める市場規模に圧倒的な差がある。もしかすると、繁簡の対応の差はようなところに由来するのかも知れない。
ユニコード対応アプリケーションのエディタで、Mac OS 9.1 / 9.2.1、Mac OS X に“付録”としてひっそりと提供されている《WorldText》の最新版 1.3 が、Mac OS X v10.2 の Developer Tools に収録されている。Mac OS X v10.1 附属の 1.2 からの変更点としては、フォントを選ぶ方法が、従来のフォントメニューから、《テキストエディット》などと同様のフォントパネルに変更された。 Developer Tools/Packages/DevExamples.pkg
に収録されており、 Devloper/Applications/Extras/
にインストールされる。