蘋果派 Apple Pie


蘋果派 2001年12月


2001年12月28日

■《Office v.X》中文対応パッチ登場

中国大陸の Mac サイト elesson 2002 (麥課一班) が28日、《Office v.X》の中文 (中国語) 入力パッチ《Final MS Office X Patch》を公開した。同サイトの「Mac OS X軟件前綫からダウンロードできる。(多謝 阪本さん)

註:上記リンクは、麥課一班が当時テスト運用していたサイトで、現在はリンク切れになっている。現在は麥課一班内の軟件速遞>個人信息及辦公などでダウンロードすることができる。

これにより《Excel X》でも簡体中文が入力できるようになるという。英語・韓国語・簡体中文・繁體中文の4スクリプトから使用する言語を選択する。現バージョンでは、英文 OS 上で中文ファイル名を使って保存すると、ファイル名が文字化けしてしまう問題があるとのことだ。

阪本さんによると、《Excel 2001》では、セルの中文表示は可能だったが、文字入力の数式バーの部分は文字化けしていた。中文入力パッチを当てた《Excel X》のスクリーンショットでは、セル表示・数式バーが文字化けすることなく中文表示されている。


2001年12月26日

■Cocoa スプレッドシート《Mesa》

Kino さんからメールをいただいた。

中国語はまったく知りませんが、蘋果派はいつも興味深く拝見させていただいています。

Excel ではありませんが、Mesa という Excel 互換のスプレッドシートがあります。Cocoa プログラムなので、Unicode を理解します。当然 (?) 簡体字中国語もきちんと扱えるはず。自分では一度も Excel にさわったことがないので、互換性がどの程度のものかはわかりません。マクロはダメだと思います。いずれにせよ、評価版がダウンロードできるので試してみるのも一興かと思います。

ご紹介いただいた《Mesa 3》(Release 3.0.6) を早速ダウンロードし、デモモードで中国語入力を試みてみた。なお蘋果派では《Excel》との互換性については何らテストをしていない点を先にお断りしておく。

同ソフトは、確かに Cocoa アプリケーションで、Unicode ベースで設計されている。が、多言語混在に十分な対応をしていない。Mac OS X v10.1 がサポートしている JIS X 0213:2000 や GBK・GB 18030・HKSCS といった日中の大規模文字セットにも対応していない。

具体的に言い換えると、次のようになる。

日本語でログインしたユーザは日本語 (MacJapanese≒Osaka フォントの文字セット) に含まれる文字しかセルに入力できない。中国語固有の文字が入力できないだけでなく、ヒラギノPro フォントで使えるようになった「草彅 (くさなぎ) 」姓の「 (なぎ) 」や、英語以外の西欧語で使われるダイアクリティカルマーク (´`¨^~ ……) が附いたラテンアルファベットなども入力できない。

では、《Mesa 3》で簡体中文は入力できないのかといえば、できる。

スクリーンショット:《Mesa 3.0.6》で簡体中文を入力

「システム環境設定」の地域情報―言語で「簡体中文」を指定してログインし直すと、簡体字中国語が入力できるようになる。同様に英語などの西欧語でログインすると、ダイアクリティカルマークが附いた文字が入力できるようになる。が、いずれの場合もかわりに日本語固有の文字が入力できなくなる。

セルのフォント指定を適切なものにしておかないと文字がきちんと表示されなかったり、2バイト言語のインプットメソッドとの連携がまだこなれていないように感じられるなど、漢字圏言語のユーザとしては気になる点がある。

試用した限りでは、《Excel X》や iPod の2バイト文字対応よりは幾分マシなものの、Classic Mac OS での WorldScript 対応ソフトや昨今の Windows 版《Microsoft Office》に比べるとやはり見劣りしてしまう。今後に注目したい。


2001年12月22日

■《Microsoft Office:mac》で中国語――情報求む

廣東省深圳 (しんせん) にお住まいの阪本さんから、Mac 用《Microsoft Office》での中国語処理の現状についてメールをいただきました。

私は、仕事の関係上中国に住んでいるのでOfficeを使用する必要があります。

しかし、Mac版のOfficeは、Office2001、Office v.X(英語版のみ確認済み)ともに中国語の表示に問題があります。Word、Power Pointの中国語の表示については、ある程度問題ないのですが、全く使えないのがExcel関係です。

Excel2001は、中国語のMacサイト簡体中文 、繁體中文用のパッチ (日英両版の SR-1 に適用可) がリリースされているため中国語をなんとか表示させることはできます。

しかし、Excel XについてはMicrosoft Language Registerを使用して、日本語に切り替えることで、繁體中文は、ある程度表示(日本語との共通漢字のみ)できますが、簡体中文については、使い物にならない状況です。

また、中国語関係のサイトで色々調べましたが、現状中国語対応のパッチがでる見通しが無い状況にあります。

環境をOS Xに切り替えたいため、Excel Xの簡体中国語表示に関する情報がありましたら、教えていただきたいと思います。

《Excel X》での簡体字中国語利用に関して情報をお持ちの方は、お手数ですがメールにてご教示下さい。

■簡体中文版《Mac OS 9.2.2 更新》も公開

Apple が20日附で Mac OS 9.2.2 Update に Simplified Chinese=簡体中文版を追加した。ほかに韓国語版なども公開されている。


2001年12月21日

■Mac OS X v10.1 の中国語インプットメソッド

Mac OS X 用の中文 (中国語) インプットメソッドは、これまでなかったというわけではない。

Mac OS X の「Tier 2」と呼ばれる“バージョン”には、Apple 純正インプットメソッドが用意されている。

ただ、それは、中国語圏ではない日本で、普通のユーザが気軽にとれる手段では手に入らない。

日本の Mac OS X ユーザにとって、まったく存在しなかったように見えるのは仕方のないことでもある。

実は Preview Release から《PanALEX》を試用しているのだが、なかなか馴染むことができない。少なくとも現在のβ版では、登録はしないつもりだ。

拼音 (ピンイン) =中国語ローマ字=入力で、「zhong」と入力すると、「中」に変換され、続けて「g」を入力すると「國」や「国」を続けてくれる「聯想」機能がついている。しかしこの「聯想」は、所詮単漢字変換の補完でしかなく、日本語インプットメソッドと比べると、どうしても使いづらい。

「聯想」そのものは、初期の簡体中文インプットメソッド《輸入方法》や、CLK 2.0 以降の《繁體中文》輸入法 (インプットメソッド) といった従来の Mac OS 用純正中文インプットメソッドでも使われてきたわけで、中文 Mac ユーザには馴染みのないものではない。しかし《PanALEX》の「聯想」は、これまでの経験則に照らして操作する限り、漢字候補を提示するというより、頻度は高いが的外れな漢字を選択の余地なく押しつけられるような感じがする。

「倉頡」や「五筆」といった“本場”の入力方法ができれば、あるいは《PanALEX》の使用感も快適かもしれない。ただ、拼音 (ピンイン) 入力自体の操作感は、メインの数字キーで声調を指定できる――つまり漢字1文字ごとにホームポジションとテンキーを往復する必要のない《PanALEX》の方が、従来の純正インプットメソッドよりも格段に優れている。(Mac OS X 版《繁體中文》輸入法ではメインの数字キーで声調を指定できるようになっている。)

Mac OS X 版の純正《繁體中文》輸入法 (インプットメソッド) が入手できたとしても、Classic 版からの大きな改善は今後もあまり望めない。本当なら、大幅な改良があるべきなのだが……。といって、6年近く愛用している《漢音 (Hanin) 輸入法 (インプットメソッド) の Mac OS X 版が登場することも、ほとんど期待できないようだ。キヤノテックの《BOPOMOFO》などは、Mac OS 9 にすら完全には対応していない。

繁體字派としては、やはり補助として日本語インプットメソッド用の繁體字辞書でも整備するしかないのかもしれない。鬱だ。


2001年12月16日

■Mac OS X 用サードパーティ中国語 IM ベータ版登場

UniDoc System が15日 Mac OS X 用の中文 (中国語) インプットメソッド《PanALEX - UniDoc Chinese Environment for MacOS X》の beta release 1.0 をリリースした。25ドルで、15日間の試用が可能。ダウンロードには、名前・メールアドレス・居住都市・居住国のフォーム入力が必要となる。

また、同社は Mac OS X 用 韓国語 IM《PanALEX (Korean edition)》の preview release 1.0.0 を公開した。


2001年12月12日

■繁體中文版《Mac OS 9.2.2 更新》公開

Apple が11日附で Mac OS 9.2.2 Update に Traditional Chinese 繁體中文版を追加した。Mac OS 9.2.1 繁體中文版の《軟體更新》控制面板 (《ソフトウェア・アップデート》コントロールパネル) からの更新も可能になっている。日本語版は、英語版などとともに、5日に既に公開されている。なお簡体中文版については、いまのところ公開されていない。また一連のダウンロード関連ページの表紙に当る Apple Featured Software の Mac OS 9.2.2 の箇所には、繁體中文を示す ZH-T は書き加えられていない。(同ページは最近原則として ISO-639 言語コードで対象言語を示している。)

スクリーンショット:《軟體更新》 中文版 Mac OS 9.2.2 更新

2001年12月9日

■《Magellan》バージョンアップ

マキエンタープライズが、7日、多言語対応メールクライアント《Magellan》をバージョンアップし、《Magellan 3.0.1》をリリースした。

■新型 iMac の件

MACお宝鑑定団に、《聯合報》の「廣達獲iMac蘋果電腦訂單」という記事について送った。お宝に掲載された記事要旨の日本語が乱れているのは全面的に私のせいであり、もうちょっと練っておけばよかったと反省。推敲があまりに不十分だった。

記事にいう「商用筆記本型電腦」というのは、PowerBook G4 のことだと思われるが、なにかしっくり来ない。「介於筆記本型電腦與液晶卓上型電腦之間的機種」(ノート型と液晶デスクトップ型との中間の機種) というのは、どういったものになるのだろうか。ともあれ、続報が台湾方面から入れば、当サイトにも掲載したい。

■ADSL 開通顛末

当地に最初の ADSL 業者 eAccess が進出したのは4月だった。私は当初、様子見を決め込んでいた。

拙宅では、昨2000年に ISDN に移行し痛い目に遭ったばかりなので、慎重を期したかった。通話とネット接続が同時に行え、ダイアルアップルータによる複数台接続が可能になるので ISDN にしたのだが、利点はそれだけで、速度・費用についてはとうてい満足できるものではない。特に契約していた ISP が、当地ではなかなか「フレッツ・ISDN」に対応せず、途中退会しても先払いした年会費を返金しないとのことなので、金銭的にはなんのメリットもなく大いに不満だった。

結局8月末に Yahoo! BB に申込んだ。2箇月経って、“放置プレイ”に耐えて「開通」を待っても接続できない場合がかなりあり、サポートも頼れないことがハッキリしたので、ステータスに「NTT局内工事 申請完了」と表示されていた11月1日、キャンセルした。ちょうどその日に当地でも開始された eAccess 8Mサービスを申込んだ。

ほどなく掲示板を巡回していて「回線握り」を知った。申込者が取消をしても、Yahoo! BB が工事申請をすぐには取り下げず、他社ADSLサービスが利用できなくなるというアレである。ISDN ユーザでも“握られた”例があるとのことだ。不安になった。

NTT への開通手続開始を報せるメールが5日に届き、15日附の封書で適合調査通過・20日に工事との通知を受けた。が、10日から1週間は外せない急用のため不在にしていたので、アナログ戻しの日程調整が遅れた。結局アナログ戻しは21日に行われた。21日深夜、ADSL モデムをセットしてみると、接続できるようになっていた。回線握りの悪夢は、杞憂で済んだ。

収容局までかなり距離があるためか、リンク速度は 2300Kbps 前後、スピード測定サイトによる推定スループットは 1.6Mbps 前後で、eAccess 8M として標準的かやや遅めといったところらしい。

ところで、開通後しばらく、FTP ソフトの設定を「Passive」モードにしなければならないことに気付かず、Web の更新ができなかった。検索エンジンで見つけた「フレッツ・ADSL」利用者の対処法を試して解決したが、このあたりについては、キャリアや ISP からももうすこし周知徹底が必要ではないだろうか。(なお、最近 ISP からやってきた一斉配信のサポートメールに対処法の記述があったが……。)




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